思春期ニキビと違って、”治りにくくて跡が出来やすい”のが大人ニキビです。そんな大人ニキビについて徹底的に解説していくとともに治し方も解説します。
大人ニキビに悩んでいる方は必見です!
思春期ニキビと大人ニキビの3つの違い!大人ニキビの特徴とは!?
ニキビは青春のシンボルと言われていて、思春期に発症することが多いイメージがあると思います。しかし、思春期の後にも発症する”難治性の大人ニキビも増加”しています。この大人ニキビと思春期ニキビの違いは、以下の3つになります。
- できやすい場所
- 治りやすさ
- 原因
この違いをはっきりとわかっていると、大人ニキビの治し方をスムーズに進めることができるので参考にしてみてください。
1.できやすい場所
大人ニキビと思春期ニキビの1つめの違いは、「できやすい場所」です。
- 大人ニキビ⇒顎・フェイスライン
- 思春期ニキビ⇒おでこ・Tゾーン
これは、思春期ニキビの原因が成長ホルモンによる「ホルモンバランスの乱れ」なので、皮脂が出やすい場所に発症しやすくなります。また、大人ニキビは、”ストレスや乾燥による角化異常で起きる”ことが多いので、顎やフェイスラインなど毛穴に詰まりやすい部位にできると考えられます。
ただ、あくまで「傾向」にあるだけなので、当然大人でもおでこにできることもありますし、思春期でも顎やフェイスラインに出来ることもあります。「おでこに出来たから思春期ニキビだ!」というわけではありません。
2.治りやすさ
結論から言って、”大人ニキビの方が治りにくい”です。大人ニキビは82%が抗生物質に抵抗性があるとの報告もあります。
またニキビ跡になりやすいのも大人ニキビなので、必ず皮膚科を受診するようにしてください。
3.原因
主な原因についても思春期ニキビと大人ニキビでは、違いがあります。思春期ニキビの主な原因は、「成長ホルモンによるホルモンバランスの乱れ」です。
ただニキビの原因は色々な要素が複雑に絡みあっているものなので、一概に言うことはできません。「そういう傾向にある」という受け止め方でお願いします。
で、大人ニキビの主な原因が”乾燥”と言われています。こちらも一概には言えませんが、乾燥から角化異常(肌表面が厚くなる)が起きて、毛穴を詰まらせてしまうという流れです。
ここでわかるように、”大人ニキビを思春期ニキビと同じころの対処法で行っていては絶対にダメ”なんです。「なんとなく治るだろう!!」ではいつまで経っても治すことができず、長い期間にわたって繰り返しできる可能性があります。
大人ニキビの5つの種類!ニキビは成長する!?
大人ニキビの特徴を解説しましたが、治し方を説明する前にニキビの種類については解説します。大人ニキビに限らず、ニキビには症状別に分類されています。
今回は定番的な5つのニキビについて説明します。ニキビの基本的な部分になるので、覚えておいて損はありません。
1.隠れニキビ(微小面皰)
隠れニキビとは、肉眼では見ることができない初期のニキビです。「ニキビは治ったと思ったら、また次の日に新しくできている」なんてことがよくありますよね。
この原因は隠れニキビが潜んでいるためです。最近では”目に見えるニキビだけではなく、隠れニキビにもアプローチしていく治療が主流”になりつつあります。
2.白ニキビ(閉鎖面皰)
毛穴が角栓によって閉鎖されて、中で皮脂が溜まっているのが白ニキビです。”見た目は小さくポコッとしている”のが白ニキビです。炎症を起こしていない段階なので、比較的かんたんに治せます。
3.黒ニキビ(開放面皰)
白ニキビとは逆に毛穴が開いている状態が黒ニキビです。よく「イチゴ鼻」や「毛穴の黒ずみ」と言ったりもしますが、あれは黒ニキビのことです。
あの黒色は角栓が空気に触れて、酸化しているので黒くなっています。白ニキビと同じで、まだ炎症していないので治りは早いです。
4.赤ニキビ(紅色丘疹)
上の2つから悪化すると、炎症を起こした赤ニキビになります。この炎症は色々な要因がありますが、大元は”アクネ菌が原因”です。
赤ニキビの数によって、ニキビの重症度が決まり、場合によっては抗生物質で治していきます。赤ニキビができたら基本的に触らずに刺激しないようにしてください。
5.黄ニキビ(膿疱)
黄ニキビは赤ニキビから膿がでてきた状態です。よく黄ニキビの膿を白ニキビと勘違いして、潰そうとする人がいます。
しかし、あの膿は潰さないようにしてください。黄ニキビは炎症が大きくなっていることが多いので、最悪の場合ニキビ跡になるケースが出てきます。
もし、緊急で潰したいなら、皮膚科で面皰圧出(保険適用内)という治療をしてもらいましょう。
大人ニキビの4つ原因!
大人ニキビの原因は4つだけではないですが、代表的なものを挙げていきます。
- 乾燥
- ホルモンバランスの乱れ
- ストレス
- 間違ったスキンケア
それぞれ解説していきます。
乾燥
乾燥は、大人ニキビの代表的な原因です。ニキビは乾燥肌の人でもできます。肌は、乾燥しつづけてしまうと、自分を守ろうと肌の表面を厚くします。
このことを「角化異常」というのですが、こうなってしまうと毛穴が閉じやすくなってしまいます。そして、毛穴が閉じやすくなると、皮脂がつまりニキビが出来ます。
これが、”乾燥肌の人でもニキビが出来る原因”なんです。思春期ニキビでは、これよりも皮脂の分泌量が多すぎて出来ることが多かったのですが、大人ニキビはそういうこともなく、乾燥で出来ることが多くなります。
歳を重ねるごとに乾燥しやすくなるというのもありますし、乾燥はしっかり対策をたてたいですね。
ホルモンバランスの乱れ
生理前になると、ホルモンバランスが乱れてニキビができやすくなります。”この時期はいつもよりも肌が弱くなっていて不安定な状態になので、積極的なスキンケアには注意が必要”です。
生理前について説明するには、「黄体ホルモン」「卵胞ホルモン」の2種類のホルモンがあるということを知っておきましょう。ニキビの原因になっているのは、「黄体ホルモン」と呼ばれているホルモンです。
この黄体ホルモンの特徴は以下の3つが挙げられます。
- 皮脂の分泌を増やして、ニキビやシミを出来やすくする
- むくみやイライラをさせる
- 肌荒れしやすくなる
黄体ホルモンは完全な悪者ではありませんが、肌を不安定にさせるのは事実です。この生理前に関しては、完全に治すのは難しいですね。
体質的な部分もあるので、ある程度はしょうがないと言えます。ただ、常の生活習慣やストレスによって緩和することはできるので、生理前ニキビができやすい人は意識したい所です。
ストレスがホルモンバランスの乱れにつながる
ニキビは、ストレスと密接に関わりあっています。皮膚科学的にも、ニキビとストレスが関係していることは指摘されています。
ニキビに悩んでいる患者さんの約8割くらいが日常的なストレスを抱えていたという報告もあり、ニキビを治療するときの重要な課題です。人はストレスを感じると、体内の「活性酸素」というものを発生させます。
活性酸素とは?
活性酸素というのは、読んで字のごとく「活発な酸素」のことです。それでは何が活発なのかというと、「酸化させる力」が非常に強力なのです。
活性酸素は酸化させる力があり、肌の老化を促進させてしまいます。また免疫力の低下にもつながるため、アクネ菌が繁殖しやすく、ニキビができたり悪化しやすくなったりするのです。自律神経も乱れて、不眠になったりするので、ニキビに限らず色々な病気のもととなっています。
間違ったスキンケア
間違ったスキンケアをやると、バリア機能の低下やニキビを悪化させる原因になります。
- 1日に5回も10回も洗顔をする
- ゴシゴシと強く擦りながら洗っている
- 化粧水のみで保湿をしている
- パッティングをしながら馴染ませている(パチパチと叩きながら)
それぞれ肌の負担になるスキンケアですし、ニキビを悪化させる原因になっている恐れがあります。スキンケアの基本は肌に優しくすることです。
優しくしても、汚れは取れますし、保湿もできます。スキンケアをするときはくれぐれも慎重に行いましょう。
大人ニキビの4つの治し方を解説!
大人ニキビを治していくにはいくつかのポイントがあります。これをやったから治るというわけではなく、”「予防」しつつ「治療」していくのがベスト”です。
- ニキビができたら必ず皮膚科へ行く
- 正しい洗顔と保湿をする
- 生活習慣を改善する
- 自由診療を検討する
4つあるので、それぞれ意識していきましょう。
ニキビができて皮膚科に行かないのは時代遅れ
ニキビができたときは、絶対に皮膚科へ行ってください。日本人は、”ニキビができたときに皮膚科に行く人が少ない”です。
ニキビは、「尋常性座瘡」という『皮膚の病気』ですから、本来は行くべき病気になります。さらに言えば、変な美容法や悪質な化粧品を使うよりもニキビの薬の方が何倍も効果が高いです。
皮膚科での費用も3割負担になるので、低価格で治療を受けられます。ちなみに、ニキビに強く推奨されているディフェリンゲルは皮膚科に行かなければ手に入れることはできません。
また、炎症をもった赤ニキビが多い場合は抗菌薬を併用する場合があります。抗菌薬で定番的なダラシンも皮膚科でしか手に入りません。大人ニキビに悩んだら、皮膚科に行くことは必須です。
正しく洗顔と保湿をする
ニキビケアをしている人なら、洗顔と保湿が大切ということは理解していると思います。ただし、その気持ちが空回りしてしまい、逆にニキビの原因になっていることがあります。
洗顔と保湿のそれぞれのポイントをまとめていきます。
洗顔をするときのポイント
洗顔をするときは、”1日2回までが原則”です。これ以上してしまうと、肌の負担になります。「ニキビは皮脂の分泌が原因なんだ!!」と考えてしまい、1日に何回も洗顔をする人が少なくないです。しかし、これは全くの逆効果になってしまうので、洗顔は1日2回までとしてください。
また、洗顔をするときは必ず洗顔料か洗顔石鹸を使ってください。水洗顔や肌断食が一時期流行しましたが、脂漏性皮膚炎やニキビダニの影響があるのでオススメはしません。
最低でも1日1回は洗顔料を使った洗顔をするようにします。
保湿をするときのポイント
原則として”保湿は洗顔の後に必ずする”ようにします。また、保湿をするときはできるだけ保湿ケア商品の数を少なくして、手が肌に触れる回数を減らすようにしましょう。
保湿剤については皮膚科で処方される保湿剤でも構いませんし、「美容液」や「保湿クリーム」でも構いません。ダメなのが化粧水のみを保湿で使うことです。
化粧水は構造上、ほとんどが水で出来ています。水は肌に染み込むこと無く、蒸発していくので、大した保湿力はありません。
つまり、保湿剤は1つで保湿を終われるものにしましょう。ちなみに「保湿=化粧水⇒美容液⇒保湿ジェル」のような流れが当たり前と考えている人は多いです。
しかし、保湿はそんなにたくさん使わなくても、要は乾燥を防げればいいので肌に負担をかけない方向にシフトしてください。
生活習慣をちょっぴり意識する
生活習慣は少し意識するだけで大丈夫です。
- 睡眠
- 食事
- 運動
睡眠不足がニキビを悪化させるということが言われていますが、睡眠とニキビの関係については解明されていません。そのため、皮膚科学的には「生活のストレスが増えることで、不眠や食生活が乱れているのでは?」と考えられています。
つまり、生活習慣が乱れてニキビが出来るということではなく、ストレスの影響を受けているということです。当サイトでは睡眠は最低6時間以上とれていればOKだと考えています。
肌の修復が行われる時間です。ストレスとニキビの関係は、昔から言われてきました。
ニキビに悩んでいる人の8割以上が日ごろからストレスを感じていたとの報告があるくらいです。大人ニキビを治していく上で、生活習慣の改善とストレス・緊張の緩和はホントに重要となってきます。
- 6時間以上の睡眠
- 栄養バランスに注意する
- ストレスを溜めすぎない
このくらい意識すれば、大丈夫です。気合を入れて、食事制限や早寝早起きで8時間以上寝るとかは必要ありません。もちろん、それが悪いわけではありませんが、無理してやる必要はないということです。
重症のときは自由診療を検討する
ニキビが重症のときは、美容皮膚科での自由診療を検討してみるべきです。(顔半分に赤ニキビが21個以上)自由診療というのは保険が適用されない治療で価格は高いですが、最新の治療法を試すことができます。
基本的に美容皮膚科に行った方が設備が整っている印象です。
- ホルモン治療
- アキュテイン
- ケミカルピーリング
- 光線療法
- レーザー治療
などなどの様々な治療を受けることができます。ただし、これを”試すのはまず一般皮膚科で治療を受けてからの方が良い”です。一般皮膚科での治療が効果なかったと感じるなら、美容皮膚科を受診してみましょう。
まとめ
大人ニキビを治すためには、
- ニキビができたら皮膚科へ行く
- 正しい洗顔と保湿をする
- 生活習慣をちょっぴり意識する
- 重症のときは自由診療も検討
などが重要となってきます。特に「正しいスキンケア」と「生活習慣とストレス」は、自分でスキンケアしていくことなので、意識していきましょう。
もし、間違ったスキンケアが原因でニキビになっていたら、正しくすることでニキビが治ることもありますし、ストレスが原因であるならストレスの元を取り除くことで治ることもあります。
ニキビは絶対に治せるものなので、しっかりとケアしていきましょう。