線維芽細胞とは、美容好きの方の中でも話題になる細胞です。なぜなら”年齢とともに減っていき、シワの原因になるのは線維芽細胞が減少しているから”です。エイジングケアの方法に線維芽細胞を活性化させるための治療も存在しています。
今回はそんな線維芽細胞について解説していきます。
線維芽細胞とは?
繊維芽細胞とは、真皮にある膠原線維(こうげんせんい/コラーゲン)と弾性線維(エラスチン)、ヒアルロン酸を生み出す細胞のことです。真皮を構成する膠原線維や弾性線維、ヒアルロン酸を生み出しているので、真皮の産みの親といっても過言ではありません。
なので、線維芽細胞を活性化させるとより弾力のある肌になりますし、逆に衰えてしまうとシワの原因になってしまいます。ここでよく言われる対処法が”コラーゲン化粧品を利用すること”です。
コラーゲンが配合された化粧品を使えば真皮のコラーゲンが補われて、弾力のある肌がつくれるという考え方です。しかし、コラーゲンを肌に塗って真皮まで浸透することはありません。あれはあくまで肌表面の保湿だけなので、勘違いしないようにしましょう。
線維芽細胞が衰える2つの原因
線維芽細胞が衰える原因は主に2つあります。
- 加齢
- 紫外線
それぞれ解説していきます。
1.加齢
線維芽細胞は、年齢とともに減っていく細胞です。そのため、線維芽細胞が減っていく要因として”年齢”が挙げられます。年齢による真皮内の線維芽細胞の変化は以下のようになっています。
引用元:美肌のために欠かせない繊維芽細胞。 分裂能力とその働きとは?
線維芽細胞が減っていけば、この細胞からうまれる膠原線維や弾性線維、ヒアルロン酸も減っていきます。この3つは真皮を支えている線維なので、ここが崩れると表皮にも影響が及びます。
このようにして”年齢とともに線維芽細胞が減り、シワができやすくなる”というわけです。
2.紫外線(UV-A)
地表に到達する紫外線にはUV-AとUV-Bの2種類があります。この内、真皮に影響を及ぼすのは”UV-A”です。UV-Aは紫外線が原因で引き起こる光老化の主な原因と見られています。なぜなら、”紫外線は繊維芽細胞に異常を引き起こすため、コラーゲンなどの合成に影響が出ると報告されているから”です。
線維芽細胞は重要な細胞の1つではありますが、外部環境にさらされやすいため紫外線の影響を受けやすくなっています。光老化が強く出ると皮膚がんになる恐れもあるため、紫外線対策は徹底する必要があります。
線維芽細胞を活性化・増やす方法
1.エイジング化粧品
エイジングケア化粧品の中には線維芽細胞を活性化したり、FGFを増加させたりする化粧品があります。
例えば、”サラヴィオ美容液には線維芽細胞増殖因子(FGF-10)が300%増加するという結果”が出ています。この増殖因子は線維芽細胞の増殖を促進することができる物質です。
他にもポーラのディセンシアアヤナスという化粧品はCVアルギニートという独自の成分を配合しています。この成分は”線維芽細胞を活性化させることができ、コラーゲンの生成量を170%に増加させる”という結果を出しています。これらの化粧品だけでシワが大きく改善するとは思えませんが、試してみる価値はあるでしょう。
2.FGF(線維芽細胞増殖因子)注入療法
FGF注入療法とは、”FGF(線維芽細胞増殖因子)を直接注入して、シワを改善する再生医療”です。先ほども解説したようにFGFは繊維芽細胞を増殖させて、コラーゲンの生成を促進します。これによって、本来肌がもっている再生力が戻り、元の弾力のある肌に戻っていきます。この治療法は肌の表面にあるFGF受容体とFGFを結合させることで、線維芽細胞に命令をおくる治療です。
3.線維芽細胞培養移植
繊維芽細胞培養移植とは、肌年齢の低い皮膚から培養した細胞を移植する再生医療のことです。主に紫外線による影響が少ない耳の裏の細胞を使って治療をおこないます。基本的に自分の細胞ですし、治療開始から数年たってもそのときの細胞で治療が可能です。
最大の特徴は”老化に対する根本的な治療になりえる”という点です。若い年齢の最奥を保存して、それを培養し移植ができれば、最強のエイジングケアといえるかもしれません。エイジングケアを考え始める40代~60代の繊維芽細胞でも効果はあるようなので、試してみる価値ありです。
まとめ
今回は線維芽細胞について解説しました。線維芽細胞は真皮にある線維や物質を生成する重要な細胞です。線維芽細胞の増減によって、肌の見た目に大きな影響を与えます。そのため、エイジングケアをするときはコラーゲンやヒアルロン酸などよりもこれらを作り出す線維芽細胞に着目してみてください。
線維芽細胞について知りたい方の参考になれば幸いです。